株式会社設立 > 株式会社設立FAQ > 厚生年金/会社設立

Q

 「厚生年金」は、国民年金に比べて有利でしょうか?




A


「厚生年金」は、国民年金より将来受け取れる年金額が多く、
遺族給付をはじめ様々なメリットがあります。





会社を設立すると、「厚生年金」に必ず入る



個人事業者は、「国民年金
会社を設立すると、「厚生年金」となります。

「厚生年金」は保険料負担が大きいですが、
将来もらえる年金額も大きくなります。

もう一度、国民年金と厚生年金のイメージを確認しましょう。


《国民年金のイメージ》
個人事業と国民年金

《厚生年金のイメージ》
会社設立と厚生年金





あまりに安い、国民年金の給付額



上図では、国民年金78万円、と記していますが、
これは40年間欠かすことなく保険料を支払った場合の満額です。

では、実際に、個人事業者など「国民年金」のみに加入している人は、
平均で、いくら年金をもらっているのでしょう?

月額で、5万円弱です!(49,869円/月額)
(平成25年度、厚生労働省年金局)

40年間欠かすことなく保険料を支払った場合でも、もらえる額は、
月額で、6万5千円にすぎません!

この年金額では、たとえ持家であったとしても生活が成り立ちません。

個人事業を続ける場合のリスクは、年金をはじめとする将来不安を抱える点にあり、
貯金や生命保険などで、自分で老後資金の確保戦略を立てなければいけないわけですが
たとえば、生命保険に加入するにしても、個人事業の場合、経費で落とすことができません。
(会社を設立すると、生命保険料の全部または一部を経費計上できるケースがあります)



厚生年金の年金額は?



では、厚生年金の場合、平均の年金額はいくらでしょうか?

月額で、14万5千円です。(145,596円/月額)
(平成25年度、厚生労働省年金局)

もちろん十分な額とは言えないでしょうが
国民年金に比べれば約3倍の給付額になるわけです。

では、厚生年金の給付額を簡易計算する方法を見てみましょう。

《老齢厚生年金》
老齢厚生年金 = 平均月給 ○万円 × 7/1000 × 支払った月数

《老齢基礎年金》
老齢基礎年金 = 78万円 × 支払った月数 / 480

   ↓
給付される年金額 = 老齢厚生年金 + 老齢基礎年金

たとえば、平均月給が40万円で、厚生年金に30年(360月)加入し、
10年は国民年金だけで、すべての月支払っていたとすると、

老齢厚生年金 = 40万円 × 7/1000 × 360 = 100万8000円
老齢基礎年金 = 78万円 × 480 / 480 = 78万円
給付される年金額 = 100万円 + 78万円 = 178万円

となります。

より詳細なシュミレーションをしたい場合は、日本年金機構の「年金定期便」をご確認ください。(毎年ご自宅に送られます)




万一の場合の補償



万一、あなたが死亡した場合、
「国民年金」の場合は

 ① 18歳未満の子供
 ② 18歳未満の子供を持つ妻

のどちらかにしか、遺族基礎年金は給付されません。
しかも、どちらの場合も、子供が18歳になった時に給付は打ち切られます。
(子どもがいない場合、妻には、遺族基礎年金の給付はありません)

一方、「厚生年金」の場合は、
上記①②の場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が給付され、
子が18歳になった後は、妻に遺族厚生年金と中高齢寡婦加算(約58万円/年額)が給付されます。
また、子どもがない場合でも、遺族厚生年金は給付されます。
(対象は、妻、夫、子、父母、孫、祖父母です)

このように、国民年金と厚生年金では
給付額、給付条件、給付対象など様々な面で大きな差があります。



年収130万円未満の配偶者は、3号被保険者に



会社を設立して「厚生年金」に加入すると
年収130万円未満の扶養配偶者は「3号被保険者」といって、
「国民年金保険料を支払わずに」、支払ったものとみなして計算してくれる制度があります。
国民年金の保険料は、月額1万5千円程度ですので、
約18万円/年、得することができるわけです。

個人事業者の場合は「国民年金」ですので、
たとえ配偶者が無収入でも、別に国民年金保険料を支払わなければなりません。