株式会社設立 > 株式会社設立FAQ > 信用/会社設立と個人事業

Q

 会社を設立したほうが「信用」があるため有利でしょうか?




A


個人事業より会社のほうが「信用」が高く、
事業を進めるときに有利に働く場合が多くあります。





事業拡大と信用



事業を進める上で、「信用」を得ることはとても大切です。

「信用」出来ない相手と取引などしませんよね?
特に初めて取引する相手に対しては慎重になるのが普通ですし、
ほとんどの企業は、取引開始前に信用調査を行います。

この際、「会社か?個人事業か?」で最初のふるいにかけられるケースがあります。


会社設立は大変。だから信用がある。



会社設立のデメリットとして、設立手続きが煩雑で大変、ということがあります。

会社法にのっとった定款を作成して、公証人の認証を受け、たくさんの書類を準備して「登記」しなければなりませんし、
設立後は、税務署、年金事務所などでいくつもの手続き・届出を行わなければなりません。
事業をやめる時も清算人の選任・選任登記、株主総会、公告、清算結了登記など手順に従った手続きが必要です。

個人事業は?

税務署に開設届けをする程度で始められますし、やめるのも廃業届を出すだけ。

つまり、「会社を設立した」ということは
ある意味、腹を決めて事業を始めている、ということであり、
事業継続が前提になっている、と一般的に考えられるわけです。

設立手続きが大変」という会社のデメリットは
だから「信用力がある」というメリットでもあるわけです。


会社は「登記」されている



個人事業と違い、会社は「登記」が必要です。
設立時に登記を行い、役員が変わったら変更登記を行います。

たとえば、初めての相手にビジネス提案された後、
その人は、もらった名刺を改めて確認します。

そして、
「どんな会社?」「今あった人は本当に役員?」
「事業内容は?」「いつから事業を始めている?」
などを「登記」から確認します。

「登記情報閲覧サービス」というオンラインシステムで、パソコンから簡単に情報入手できます。

一方、個人事業の場合は登記がありませんので、「調べようがない」。
(せいぜい個人事業主のホームページを確認することくらい)

これが「信用」の差になるわけです。

会社によっては、
「個人事業との取引はしない」ことをルール化しているところもあります。


個人事業か、会社設立か ・・・総合的に判断しましょう



ただし、「信用」についての重要度は、
ビジネスや商品の内容、顧客層、取引相手などによって異なりますので
業種などによっては、個人事業でもデメリットをほとんど感じない場合もあるでしょう。

また、個人事業であっても、
その人の「人柄」「能力」「仕事ぶり」などを信用して仕事を発注する場合もあります。

会社という「形」への信用ではなく、
この人なら、という「人」への信用を土台にビジネス拡大も可能なわけです。

会社という「形の信用性」が、取引拡大のネックになるケースもある(多い)、
ということを確認したうえで
個別の事情や業種などを総合的に考えて
「個人事業から始めるか」「会社設立をするか」決断して行きましょう。