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株式会社設立「定款」

公告

⑬ 公告方法を決める


株式会社を設立する場合、
決算、資本金の減少、合併などの際の「公告」が義務付けられます。

「公告方法」は、定款で定めることができます。(任意)


 


公告とは

「決算」や「会社分割」「合併」「資本金の減少」など
会社法に定められた事項について

債権者や株主、取引相手などに
情報を公にすることで知らせることをいいます。


公告すべき事項

「官報」で公告すべき事項

・会社合併
・会社分割
資本金額の減少
・剰余金額の減少
・解散
など

定款で定めた方法で公告

・決算
・基準日設定
・定款変更
・株式併合
・株式交換
など



「官報」で公告すべき事項は、
会社法で「官報で公告しなければならない」を定められていますので、
必ず「官報」で公告します。

これ以外については、「定款」で、公告方法を定めることができます

定款で公告方法を定めなかった場合は、「官報」での公告、とみなされます。

定款で公告方法を定めた場合は、その旨を登記しなければなりません。

 

 

3つの公告方法



「官報」で公告すべき事項「以外」の公告事項は、
定款で定め、登記した方法で公告します。

定款で定めなくてもOK。
ただし、この場合は「官報での公告」となります。

公告には3つの方法があります。

日刊新聞紙に掲載する
官報に掲載する
電子公告

では、1つ1つ見て行きましょう。

日刊新聞紙に掲載する方法

日刊新聞での公告は、主に大企業が選択している方法です。

なぜなら、地方紙で50万円程度、全国紙への掲載では100万円程度の料金がかかるからです。

あらたに会社を立ち上げる場合は、日刊新聞紙掲載を公告方法とするメリットはあまりありません。

 

官報での公告

最も多くの会社が選択しているのが「官報」での公告です。

「決算」公告では、
・大企業以外の株式譲渡制限会社⇒ 約6万円 (2枠)
・大企業以外の公開会社   ⇒ 約9万円 (3枠)

決算以外の公告では、「1行につき、約3千円」で、
公告する事項にもよりますが、
10行~20行程度(3万円~6万円程度)を目安にすればよいでしょう。

 

電子公告

電子公告とは、インターネット上で公告する方法です。

あなたの会社のホームページ(決算用のホームページを別に作ってもOK)に掲載すればよい、ということです。

こう書くと、一見もっとも簡単な方法に思えますし、費用も安そうですが
電子公告の場合は、
「法定の公告期間中、ほんとうに掲載されていた」「中断がない」ことを調査委託しなければならず、
この調査委託に費用もかかりますし、それなりの手間もかかります。

電子公告調査機関への委託料金は、1件10万円以上する場合が多いですので
決して「お得、というわけではありません。」

ただし、例外があります。

「決算公告」に限っては、「調査委託をしなくてよい」ことになっていますので
ホームページに掲載すればよく、全く費用がかからない、ということになります。
(ホームページの運用・書き換えを、ホームページ会社に委託している場合は、その費用がかかりますが。)



この3つの方法から公告方法を決め、定款に定め、登記します。
(定款に記載しなかった場合は、「官報」を選択したとみなされます。登記はしなければなりません。)

では、会社を新しく設立する場合、どの方法がよいでしょうか?

費用の面、手続の面を考えると、やはり「官報」による公告を選ぶことをお勧めします。




決算公告で、年6万円「得する」方法



先ほど、「電子公告をする場合は、調査機関への調査委託が必要」ということを書いたのですが、
「決算公告」だけは、この義務が免除されます。

つまり、決算公告だけを電子公告で行えれば、
調査依頼する必要もなく、官報に掲載する費用(6~9万円)がいらなくなるわけです。

そんな「うまい話」が ・・・ あるのです。

会社法440条第3項では、
「日刊新聞紙または官報を公告方法とする会社でも、電子公告により決算公告することができる」
という主旨の条文があります。

つまり、公告方法を「官報」としていても、決算公告をホームページ上で行うことができるわけです。

ただし、条件があります。
●決算公告するURLを、あらかじめ登記しなければならない。
 (設立登記のときにURL登記をしましょう。)
●5年間継続して掲載しなければならない。
●貸借対照表の要旨ではなく、全文を掲載しなければならない。

ですから、URLを登記しておけば、年間6万円得する、ということなのです。

この方法をとる場合、定款と登記は以下のように記載します。

定款の記載

(公告の方法)
第○条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。



登記すべき事項の記載

「公告をする方法」官報に掲載する方法により行う。
「貸借対照表に係る情報の提供を受けるために必要な事項」http://WWW.abcdef.com



ただ、ホームページで決算公告というと、多くの方は新たな疑問や不安を感じます。
(ネット上での決算の電子公告の解説でも、こういう誤解をしたまま解説している場合が多いのですが。)

・・・

★「たまたま、自分の会社のホームページを見に来たお客さんに、決算内容を見られてしまうのでは?」

★「赤字や決算内容の悪化をさらすことになるのではないか?」

・・・

この不安を取り除く方法があります。

電子公告は、登記したURLに行えばよいわけです。
(パスワード設定などしてはダメですが、URLを知っている人が見に来て、きちんと見られればOKということ。)

検索エンジンにフォローさせる必要はなく、
たとえば「○○株式会社」と会社名で検索して
「○○株式会社決算公告」のホームページが表示されなくてもいいのです。

つまり、あなたの会社の事業用のホームページとは別の「決算用のホームページ」をもち、
検索エンジンにフォローさせない形をとっておけば、
「興味本位の人に見られず」
「株主、債権者、取引相手など、登記されたURLを知っている人は確実に見ることができる」
電子公告を行うことができます。
(ページのheadセクションに<meta name="robots" content="noindex">を挿入するなど必要な形をとります。)




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