株式会社設立 > 株式会社設立FAQ > 個人事業のメリット・デメリット/会社設立と個人事業

Q

 個人事業のメリット・デメリットは?




A


個人事業は、
「開業手続きや経理がかんたん」というメリットがあり、
信用、税金、社会保険でデメリットがあります。





個人事業のメリット



まず、個人事業のメリットを確認しましょう。

●開業手続きがかんたん、無料

税務署への開業届けなどだけで事業を始められます。
(登録免許税などの設立法定費用がありません。)
(会社設立の場合、定款の作成・認証、設立登記、その他手続きなど)
(株式会社設立では、最低25万円程度かかる)



●「登記」がいらない

「登記」がないので、自由です。
(株式会社の場合、役員任期ごとに登記、登録免許税が必要)
(会社は、事業目的、商号、住所の変更なども登記・税)



●事業で儲けたお金を自由に使える

事業で儲けたお金を何に使おうと問題ありません。
(私用で使ったお金は、事業経費にしなければ良いだけ)
(会社を設立すると、役員報酬となり、年に一度しか変えられません)
(会社のお金を使うと、賞与となり課税され、融資も受けにくくなります)



●経理、確定申告がかんたん

青色申告を選択しても自分でかんたんにできます。
税務署に確定申告書を提出すれば終了。
(会社を設立すると、貸借対照表を作成するなど経理・決算が大変)
(会社は、税務署、都道府県税事務所、市町村にそれぞれ申告書類を作成・提出)



●事業をやめるのもかんたん

税務署に廃業届を提出するだけ。
(株式会社は、株主総会、公告、債権者への通知、登記、役所等への届出など大変)


個人事業のデメリット



個人事業の「デメリット」を、会社設立との比較で確認しましょう。


●「信用」性に劣る

個人事業は、簡単に始められる分、信用度が低いと認識され
それが新規事業拡大のネックとなる場合があります。



●所得税の節税ができない

個人事業主は、給与所得者ではありませんので「給与所得控除」が使えず
所得税の節税ができず、会社より税金が高くなるケースが多い。



●国民年金で将来が不安

個人事業主は、「国民年金」に加入しますが、平均の年金月額は5万円
これではとても老後の生活は成り立ちませんので、
自分で老後資金を確保しておく必要があります。
(国民年金の満額は、78万円/年。満額もらっている個人事業者は少ない。)
(万一死亡しても遺族への給付は非常に制限されています)
(会社を設立すると、社長も「厚生年金」加入となります)



●生命保険は経費にならない

将来不安を軽減するために「生命保険」に加入しても、
それは事業とは関係ありませんので、経費にすることはできません。
(最大12万円の生命保険料控除という所得控除がつかえるだけ)
(生命保険の死亡保障金は、相続税の課税対象となってしまいます)
(会社の場合は、受取人を会社にするなどして経費化できます)



●配偶者控除、扶養控除がつかえない

個人事業の場合、仕事を手伝う配偶者や家族に一度でも給料を支払うと
配偶者控除、扶養控除をつかえなくなります。
配偶者控除、扶養控除をつかうか、給料を払うか、どちらかの選択となります。
(会社の場合は、配偶者などに支払う給料は全額、「経費」にできます)
(さらに会社の場合、103万円以下なら配偶者控除、141万円以下なら配偶者特別控除)



●事業に失敗すると、すべて個人の責任になる

個人事業は、個人の責任で借金し、仕入を行いますので
事業が失敗した場合、個人資産をつかって債権者に返済しなければなりません。
(すべての貯金も、マイホームも手放さなければらない場合もあります)





このように、同じ起業でも、個人事業と会社設立では大きな違いがあります。

それぞれのメリット・デメリットを確認し、検討してみて下さいね。

そして、まず個人事業で始める場合でも、事業を長く続けるのであれば
やはりどこかの時点で「株式会社設立」という選択をしたほうが良いと考えられます。