株式会社設立 > 株式会社設立FAQ > 会社設立のメリット・デメリット/株式会社設立と個人事業

Q

 会社設立のメリット・デメリットは?




A


会社設立は、
事業拡大、税金、社会保険、事業継承にメリットがあり
設立費用が高い、登記や経理などの手続きや費用の負担などに
デメリットがあります。





会社設立のメリット



会社設立のメリットを確認しましょう。


●「信用」性が高い

会社設立は、設立手続きが煩雑で費用が高いため、
その分、きちんとと事業を継続しようとしてるとみなされ
「登記」事項を確認することもできるため「信用」度が高く、個人事業に比べ事業拡大に有利に働くことが多いと言えます。
(株式会社の場合は、決算公告も義務であるため、それが信用につながります)



●所得税の節税ができる

会社を設立すると、役員報酬という形の給与を受けることになりますので
給与所得控除」をつかうことができ、その分、節税ができます。

課税所得額(売上-経費)個人事業
役員報酬額(売上-経費)株式会社
会社の場合の
節税額
400万円のケース10万円
600万円のケース40万円
1000万円のケース80万円
2000万円のケース170万円

*役員報酬=売上ー経費、として会社の利益ゼロとした場合の税額比較



●厚生年金に加入できる

会社を設立すると、社長も「厚生年金」加入となります。
厚生年金は、個人事業者の国民年金に比べ、平均で給付額は3倍
(厚生年金の平均月額は15万円、国民年金は5万円/月しかもらえないというのが実態)
(厚生年金は、本人死亡や障害を負ったときの家族の給付も手厚い)
(保険料は高くなりますが、将来を考えると十分ペイします)

《30歳で会社設立して厚生年金に加入した場合》

報酬月額年金給付の増加額(年額)トータルの年金額(年額)
40万円100万円約180万円
60万円150万円約230万円
80万円200万円約280万円

*「国民年金」の場合、満額で78万円(年額)。
 個人事業者などが実際に給付を受けている平均は年60万円弱。(平成25年度)



●生命保険を経費にする

「生命保険」に加入する場合、
「定期保険」なら、保険料を全額損金にすることができます。
(「終身保険」の場合も、受取人を遺族にすれば、損金にできます)
(「養老保険」の場合は、満期受取人を会社とすると1/2が損金)



●給料は費用に。さらに配偶者控除、扶養控除っもつかえる

会社の場合は、配偶者などに支払う給料は全額、「経費」にでき、
さらに、103万円以下なら配偶者控除、141万円以下なら配偶者特別控除がつかえます。



●倒産しても、個人資産を守れる場合がある

個人事業は、個人の責任で借金し、仕入を行いますので
事業が失敗した場合、個人資産をつかって債権者に返済しなければなりません。
会社の場合は、借入の際に、社長が連帯保証人になった場合は別ですが、
そうでない一般の負債について、個人資産をもって返済する義務は負いません。
(株主は、出資した額がなくなるだけ、です)


会社設立のデメリット



会社設立の「デメリット」を、個人事業との比較で確認しましょう。

●会社設立手続きが大変で、株式会社なら最低25万円かかる。

株式会社設立の場合、定款の作成・認証、設立登記、その他手続きなどで
最低25万円の費用がかかります。
(個人事業なら、かんたんな開業届ではじめることができ、費用はかかりません)



●「登記」が必要

会社設立にあたって、「設立登記」が必要なだけでなく、
本店住所変更、役員の任期ごとの登記、事業目的の追加、など
様々な登記が必要で、そのたびに費用がかかります。



●事業で儲けた「お金を自由に使えない」

株式会社を設立すると、役員報酬となり、年に一度しか変えられません。
この決められた役員報酬以外に会社のお金を使うと、
賞与となみなされて課税されますし、
融資も受けにくくなります。
(個人事業なら、自分で儲けたお金を何に使おうと自由です)



●経理、決算が大変

会社を設立すると、必ず「複式簿記」で記帳し、
貸借対照表を作成するなど経理・決算が大変です。
(また、税務署、都道府県税事務所、市町村にそれぞれ申告書類を作成・提出する必要があります。



●事業をやめるのも大変

株式会社は、株主総会、公告、債権者への通知、登記、役所等への届出など
様々な手続き手順が必要で、費用もかかり、大変です。





このように、同じ起業でも、個人事業と会社設立では大きな違いがあります。

それぞれのメリット・デメリットを確認し、検討してみて下さいね。

そして、まず個人事業で始める場合でも、事業を長く続けるのであれば
やはりどこかの時点で「株式会社設立」という選択をしたほうが良いと考えられます。