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株式会社設立「定款」

事業目的

事業目的を決める


目的(事業目的)は、「将来取り組む可能性のある事業」を含めて
3~10個ていど記載して、最後に
「前各号に附帯または関連する一切の事項」と記載します。


 

目的とは?



目的事業目的)とは、会社が行う事業内容のことです。

目的は、
定款に必ず記載しなければならず(絶対的記載事項)、
設立登記事項です。

会社は、
目的に記載された範囲内において法人格を持ち、
記載されていない事業を行うことはできません

目的として記載できる数の制限はありませんし、
記載したからといって必ず行わなければならないわけでもありません。

事業目的には、
本業と関係のない事業でも
「将来取り組む可能性のある事業」「関心のある事業」は記載しておきましょう。

《目的の記載ポイント》
●箇条書きにします。(順番は特に気にしなくてよいです。)
●1から順に番号を記します。
3~10程度記載します。
●最後に「前各号に附帯または関連する一切の事項」と記載します。
 
たとえば、以下のようになります。

《目的》
1.経営コンサルティング業
2.インターネット上のショッピングモールの企画、開設、運営
3.インターネットのコンテンツの企画、制作、販売
4.セミナー・研修会の企画、運営
5.損害保険の代理業
6.英会話教室の経営
7.前各号に附帯または関連する一切の事項



目的を決めるときの注意点


 

3つの要件

目的を決めるにあたって、以下の3つの要件を満たしていなければなりません。

● 適法性
会社は、
公序良俗に反したり、法律に反したことを目的にすることはできません。
(当然ながら、犯罪につながる行為を目的にできません。)



● 営利性
会社は、地方公共団体などの公法人や学校法人、宗教法人などと違い、営利を目的とした「営利法人」ですので
株式会社の「目的」も
「営利を目的としたもの」でなければなりません。

(ボランティア活動、○○への寄付、といったものを目的とできません。)
(会社がボランティアに取り組んではならないということではなく、目的とはできない、ということです。)



● 明確性
目的は、誰が見てもわかるものでなければなりません。

最新の専門用語や、最新の業界用語など、
一般の人に理解できない言葉、表現はNGとなることがあります。

また、たとえば「物品販売業」「製造業」では具体性がなく、
明確性に欠けると判断されます。
(「テレビ、冷蔵庫等の家電製品の販売」などと書けばOK。)

逆に、細かすぎる表現もNGとなることがります。

「野菜、果物などの青果物の販売」と記載すればよいところを
「ニンジンの販売」「きゅうりの販売」・・・と記載してゆくのは細かすぎです。

 

日本語表記で書く

事業目的は、
ひらがな、カタカナ、漢字などの
日本語の文字で記載しなければなりません。

外国語の文字、ローマ字(A,B,Cなど)、記号、絵文字などは使えません。

ただし、「Tシャツ」「CD」など、日本語として定着している言葉は、例外的に認められます。

 

許認可が必要な業務?

ここで、事業目的とする業務が
「許認可」が必要かどうかを確認しておきましょう。

許認可業務とは、
衛生上や公安上などの理由で、法律や条例などによって
「許認可」が必要とされる業種をいいます。

許認可業務を始めるなら、
実際に業務を始める前に所定の手続を行わなければならず、
無許可で営業を始めると「罰則」受けたり、「営業停止」処分となるなどのペナルティが課されます。

目的に記載しても、
実際に事業を行うまでは許認可を受けなくても大丈夫です。

許認可事業には
飲食店、喫茶店、菓子製造業、乳製品製造業、不動産業、旅行業、建設業、宿泊業、風俗営業、
深夜酒類提供飲食店、古物営業、酒類販売業、酒類製造業、宅地建物取引業、建設業、診療所、
美容院、理容院、クリーニング店、貸金業、職業紹介業、一般労働者派遣事業、ガソリンスタンド、
一般廃棄物処理業、産業廃棄物処理業、自動車分解整備業、電気工事業、薬局、医薬品販売業、・・・
など様々な業種があります。

「許可」「免許」「登録」「届出」の違いもありますし、
「受付窓口」や「申請先」もそれぞれ異なりますので、ネットなどでご確認ください。



 

目的の事例集



以下に、業種別の事業目的の例をあげておきますので、あなたの会社の「目的」を記載するときの参考にして下さい。

飲食業

飲食店の経営
飲食店の企画、経営及び運営並びにそれらのコンサルティング
レストラン、居酒屋、バー、カフェ等の飲食店の経営
カフェ・レストラン・バーの経営
食堂、喫茶店、旅館の経営
喫茶店、飲食業
飲食店業に関するフランチャイズ業
チェーンシステムによる食堂(レストラン・すし店)の経営
日本料理店の経営
そば・うどん店の経営
フランチャイズチェーンシステムによる飲食店の経営
居酒屋、バー、レストラン、喫茶店等の飲食店の経営

 

IT関係

インターネットのウェブサイトの企画、制作、管理
インターネットのコンテンツの企画、制作、販売
インターネット接続業
インターネット上のショッピングモールの運営
コンピュータソフトウェアの企画、開発、設計、販売
インターネットを利用した各種情報提供サービス

 

教育関連

ギター教室の経営
パソコン教室、カルチャー教室等の企画、運営、管理
留学生を対象とした日本語教育施設の経営
日本語、外国語学校の経営
学習塾経営
学術交流の支援
フラワーアレンジメント教室の運営
各種資格取得講習会の主催及び通信教育事業

 

建築・建設関連

建物リフォーム、メンテナンス業務
住宅のクリーニング業
建築の企画、設計、監理及びコンサルティング業務
建物、構造物の解体業
とび・土工工事業
リフォーム計画の工事請負業

 

各種サービス業

結婚式・披露宴に付随するパーティーのトータルプロデュース
翻訳・通訳業
結婚相談業及びそのコンサルティング
音楽、映像ソフトの企画・制作・販売・配給・配信
会員制ビジネスの会員募集及び斡旋業務
楽器、音響機器、舞台用資器材の販売、修理及びレンタル

 

美容・理容関連

理容、美容室、エステティックサロンの経営
シャンプー、リンス等の日用雑貨品の販売
リラクゼーションサロンの経営
養毛剤、シャンプー、リンスの研究開発、製造、販売、輸出入
フランチャイズチェーンシステムによる美容院の経営
化粧品、サプリメントの輸出入及び販売

販売業

用雑貨用品・衣料品・美容商品の卸し、小売業及び輸出入
日用品、ファッション雑貨品の輸入、販売
酒類及び食料品の販売
花の販売
野菜、果物等の生産及び販売
写真プリント、アルバム、写真集、DVD等の制作、販売
ソーラーパネル、蓄電池の販売、レンタル
衣料品、呉服類及び和装品のインターネット等による通信販売
菓子、乳製品、パン類、その他の食料品の製造、販売
書籍の企画、編集、製作、販売
海外雑貨等の輸入販売
国産、外国産フルーツの卸売及び販売

 

広告・出版・イベント業

映画の企画、制作、配給並びに販売
各種イベントの企画、運営
広告代理業
広告に関するコンサルティング業務
イベント、講演会、各種パーティー等の企画、立案、運営
書籍の企画、編集、出版、販売及び輸出入

 

健康・介護関係

医療介護用具の企画、販売
ホームヘルパーの養成研修に関する業務
介護保険法に基づく訪問介護
健康機器、医療機器、介護用機器、の販売及びレンタル業務
有料老人ホームの経営
学童保育事業
マッサージ、指圧、はり、きゅうの施術所の経営
ベビーシッター業の企画、経営、営業並びに受託業務

 

不動産関連

不動産の所有、売買、賃貸、管理、媒介
不動産の売買・賃貸借管理及びこれらの仲介業
テナント募集の代行
ビル、マンションの総合管理運営
不動産コンサルタント業
住宅建築に関するサポート業務

 

自動車関連

荷物の配送業務
宅配便業務
自動車のオークション代行・委託販売業
レッカー車による自動車の移動業務
自動車のカスタマイズ、修理、販売及び輸出入
レンタカー事業

 

環境・農業関連

エコロジー及び環境関連分野の商品及びサービスの企画、開発、販売、運営
バイオ燃料の輸入・販売事業
廃棄物の再生処理及び再商品化事業
農業、畜産業、水産業及びそれらの調査、企画、開発並びにコンサルタント業務
有機農法による野菜・果物などの生産および販売



様々な業種・職種があるので書ききれませんが、
専門外の一般の人でもわかるように、具体的で簡潔に記載しましょう。

最寄りの法務局で、関連業務を行う大手企業の「登記事項証明書」をとって、参考にしてみてもよいでしょう。






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